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News & Topics

TEACH実施計画書

                           20121120日版

                              

TEACHTransnational European and East Asian Culture and History

日独韓3大学(筑波大学、ボン大学、高麗大学)

共同学位(修士)プログラム

実施計画書


 

TEACHTransnational European and East Asian Culture and History

日独韓3大学(筑波大学、ボン大学、高麗大学)共同学位(修士)プログラム

実施計画書

.プログラムの梗概

1-1 プログラムの名称  

1-2 プログラム設立の趣旨と目的

1-3 母体となる各参加大学の受け入れ団体(研究科・専攻等)

1-4 学生定員と応募資格

. 人材育成目標

2-1 教育目標 (このプログラムにより培われる知識・技能・能力)

2.2 人材育成目標

2-3 修了後の進路

3.大枠テーマ  日独韓の「近代化経験」と「地域統合」

3-1  日独韓3国が共有する近代化の経験

3-2  地域統合

3.3 日独韓をテーマとする社会的必要性

4.実施計画

4-1 学生交流に関する筑波大学との協定の存在

4-2 TEACH運営委員会(Steering Committee

4-3 学生の身分

4-4 学生の選抜・入学手続き

4-5 指導教員

4-6 修士論文

4-7 修了要件

4-8 学生に対する支援

. TEACHのカリキュラムと単位

5-1 TEACH生の三大学間キャンパス移動

5-2 単位互換

5-3 TEACHカリキュラムと単位

5-4 TEACH開講科目以外の修了要件単位と自由選択科目

6.TEACHプログラムのメリット

6-1 学生にとってのメリット

6-2 大学にとってのメリット

 


.TEACHプログラムの梗概

Transnational European and East Asian Culture and History (ヨーロッパと東アジアのトランス・ナショナルな文化と歴史、略称「TEACH)とは、日本の筑波大学、大韓民国の高麗大学校、そしてドイツのボン大学が、TEACHに関する3大学間協定を結び、協定に基づいてコンソーシアムを作り共同で運営する、人文社会科学系修士課程院生のための、全く新しいコンセプトによるプログラムである。

本プログラムに参加する日独韓の修士学生(最大で各大学一学年6名ずつ)は、三大学から一つ所に集まり、共通のプログラムの枠の中で日独韓三大学を集団で一学期ずつ移動・滞在(自分の母校での滞在のみ二学期間)して共同で授業を受け(いわゆる「渡り鳥」プログラム)、語学研修を続け、研究を行う。最終的に、所定のプログラム履修と修士論文執筆等の必要条件を満たすことにより、その所属する大学から修士号(第一修士)を、さらに、参加している今一つの大学からも修士号(第二修士)を取得するデュアル・ディグリー・プログラムである。

   以下、TEACHの学生から見て、入学して第一修士号を取得する大学のことを「ホーム校」、同じく「正規生として在学」して第二修士号を取得する提携大学を「第一ホスト校」、1学期間「短期留学」する提携大学を「第二ホスト校」と呼ぶ。)

   この文書において「修士課程」とは、筑波大学5年一貫制の研究科専攻においては1・2年次、区分制においては「博士前期課程」のことを指すものとする。

 

1-1 プログラムの名称  

TEACHTransnational European and East Asian Culture and History)  

日独韓3大学(筑波大学、ボン大学、高麗大学)共同学位(修士)プログラム

略して、TEACHと称する。

 

1-2 プログラム設立の趣旨と目的

学術・高等教育の国際化は、日本の教育政策において近年最も重視されている項目であり、とりくみが戦略的に加速されつつある。ヨーロッパにおいても「ボローニャ・プロセス」の枠の中で、すでに既成の枠を超えた大学の新たな国際化戦略が次々に具体化されつつある。それは、異文化間の交渉力を備え、自文化を相対化して批判的に見る能力を持ち、広い知識と深い洞察力と発信力を備えた人材を養成することが、グローバル化の時代を生きる先進国共通の課題となっているからであろう。

TEACHはそうした社会的要請に応える形で、アジアとヨーロッパの個別文化に関する研究と実地体験を組み合わせて集中的に学修できるプログラムを提供しようという、これまであまり例のない意欲的プログラムである。その際、単に語学力、ましてや英語能力だけを備えていればよいというのではない。むしろ、既存の型にはまったいわゆる「国際人」だけではなく、むしろ多様な言語や特定の文化圏に関する並外れた知識や能力を組み合わせて持つような、新たな形の国際的スペシャリストの存在こそが求められている。

このようにTEACHは日独韓という、これまであまり例のないユニークな、しかし極めて意味のある組み合わせでの学位プログラムである。これまではともすると、我が国の人文・社会科学系の人材養成や研究分野においては、日本とドイツ、あるいは日本と韓国、といった形の二国間研究の枠組みが当然のように前提とされてきた。本プログラムは敢えてそうした前提を打破し、アジアとヨーロッパ、具体的には韓国とドイツを考察対象として組み合わせ、日独韓という三文化圏を枠組みテーマとすることにより、これまでなかったような新たな発想や視点をもとに新たな研究・実践分野を開拓しようという試みである。韓国について極めてよく知るドイツ・スペシャリストが養成され、またドイツの議論を準拠枠として知悉するすぐれた韓国スペシャリストが輩出されることにより、これまで比較的没交渉に行われてきたアジア研究とヨーロッパ研究が組み合わされ、ヨーロッパや韓国に関する議論が活性化されることが期待できる。

デュアル・ディグリーの取得を目指す参加者が構成する本プログラムは、3大学の学生が集団で学期毎に3大学を移動し、3言語で議論しながら2年で2つの修士論文を書くことを求めるという、きわめて内容の濃い学位プログラムである。TEACHは、三つの大学のキャンパスにおいて提供する独自プログラムによる議論や訓練を通して、三大学の参加院生たちを、多様な専門能力を身につけた高度専門職業人として社会に送り出し、あるいはまた研究者として養成することを目指している。

 

 

1-3母体となる各参加大学の受け入れ団体(研究科・専攻等)

·           【筑波大学】人文社会科学研究科(国際地域研究、文芸・言語専攻など複数専攻が参加予定)

·           【ボン大学】人文社会系アジア学研究科日本・韓国学研究専攻

(ドイツ語:Abteilung für Japanologie und Koreanistik des Instituts für Orient- und Asienwissenschaften der Philosophischen Fakultät

·           【高麗大学】高麗大学校大学院文科大学(中日語文学科、独語独文学科、史学科の三学科

が参加予定)

 

1-4 学生定員と応募資格

1学年につき各大学から6名(3大学合わせて1学年最大で18名まで)とする。

筑波大学を通してTEACHに参加希望者の応募資格は、以下のとおりである。

·           学士号(BA)を取得していること(卒業見込みを含む)

·           筑波大学人文社会科学研究科の中のTEACHプログラムに参加している専攻(国際地域専攻、文芸言語専攻など、詳細は今後決定予定)への個別入学試験に合格した者

·           ドイツ語または韓国語を既習しており、入学後短期間で第一ホスト校(ボン大学または高麗大学)が入学要件として求める語学レベル(3-3(3)を参照)に達することが見込めること

·           通常の修士課程における研究に加えて、長期の外国大学での滞在や、ドイツ・韓国のTEACH生との交流やコミュニケーションを積極的に行なう意欲があること。


. 人材養成目標

 

TEACHはアジア・ヨーロッパの国際関係に関する広い知識と高い語学力、国際交渉能力を身につけた、高度専門職業人養成のためのプログラムである。そこでは、アジアに通じたヨーロッパ・スペシャリスト、また逆にヨーロッパに通じたアジア・スペシャリストを育てることが目指されている。修士号取得後は、すぐに社会で国際的に活躍し、あるいは博士後期課程でさらに研究を進めることが期待されている。

 

2-1 教育目標

日独韓3国(ないし3文化圏)の文化と社会を、歴史的共通点および地域統合という側面から比較文化・比較社会的に研究することにより、参加者が自ら選択する個別テーマに関する研究を深めて修士論文を執筆する。修士論文の具体的なテーマはTEACH生が指導教員との話し合いを経て自由に決めることができるが、このプログラムにより培われる知識・技能・能力の共通部分として、大きく次の3点を教育目標としている。

 

(1)異文化間媒介能力の育成(文化比較・異言語能力)

      個別の歴史や文化、また異文化や他者性に関する理論を学ぶことにより、異文化間理解の理論と異文化間媒介の実践能力を身につける。

      総体的な国際コミュニケーション能力、とりわけ第3点に掲げる当該研究地域の言語に関する運用能力を高める。

 

(2)問題解決能力の育成(国際関係・地域主義)

      共通の歴史経験に基づき、それぞれの国が経てきた過程を分析し、安定した平和で民主的な国際関係や地域秩序を構築するための方策を探求する。

     ヨーロッパ、東アジア双方の立場から相対的な見方を学ぶことにより、偏狭なナショナリズムや短絡的思考を克服し、紛争を抑止するための方策を探求する。

 

(3)高い語学能力の修得

·            授業で使用する言語は原則として、ドイツではドイツ語、韓国では韓国語、日本では日本語とする。従って、TEACH入学時に、ホーム校所在地における母語(筑波大学の場合は日本語)に加えて、この三言語のうちの一言語について、既に日常会話に不自由しない程度の高い語学力に達していることが必要である。各大学に留学する時点までに所定の語学試験 (ドイツ語の場合はTest DaF試験のTDN3レベル、韓国語の場合はTopik試験の4レベル)に合格することが、修士号取得の前提要件である。

·            英語での授業は、それぞれの外国語での授業に参加するのに十分な語学力のない学生に対して補完的に提供する。

 

以上の教育目標の達成を通して、TEACH参加学生たちはコア・カリキュラムにおいて、日独韓に関連する社会・政治・文化分野におけるさまざまなテクストや議論を分析、比較、議論する方法を学ぶ。それぞれの国の歴史的、文化的、言語的そして社会的知識に基づいて、ナショナル・アイデンティティ、トランスナショナル・アイデンティティ、また地域的アイデンティティを評価するための体系的アプローチ法を身につけ、世界の二つのカギとなる地域(ヨーロッパと東アジア)を結びつける一つのトランスナショナルな知のコミュニティの一員となることを目指す。

 

同時にTEACHは、3大学のTEACHプログラム学生が3大学のそれぞれに常に一つのグループを形成して滞在することを通じ、とりわけ日独韓の学生間で密接な相互交流が育まれるよう構想されている。3国の学生たちがお互いにホーム校では助け、ホスト校では助けられる経験を重ねることで、修了後も日独韓の交流関係の礎となるような人間関係が構築されるであろう。

 

2.2  TEACHの目指す人材像

TEACHが目指す「複数地域の事情に通じる人材を育てる」という発想は、これまで我が国の高等教育にほとんど見られなかったものであるが、その潜在的ニーズは実は非常に大きい。アメリカを中心とする国際関係論分野については我が国でもすでに充実した教育が展開されてきたが、国際化推進を図るとき、単に英語力によって広く国際事情に通じるだけでなく、北米以外のいくつか複数の個別地域に特化して精通し、それにより偏狭なナショナリズムの枠を抜け出て自国の相対化をなしうる視点を持った、多様な人材に育成する姿勢も欠かせない。

TEACHはまた、新たなタイプのプロフェッショナルな国際人として育つべき日本人学生を対象とするだけでなく、韓国の中にヨーロッパにも通じた日本スペシャリストを育て、ドイツの中にアジア事情に通じた日本スペシャリストを育てることを、等しく重要課題として認識している。これらのスペシャリストたちがやがて、学術の世界で、また広く社会の中で、TEACHの中で育む経験と連帯と友情を基盤にしながら、日独、日韓、韓独関係、さらにはアジアやヨーロッパとの国際関係を担う人材として活躍してくれることを、TEACHは目指している。

 

2.3 修了後の進路

TEACHで育成する「日韓、日欧関係のスペシャリスト」たちは、修了後、各国の政治・経済のさまざまな分野やメディア、また各企業の国際担当部局などで活躍することが期待される。むろん、TEACHは今後さらに続けて学術研究者となる可能性を排除するものではなく、博士後期課程に進学して研究者を目指す院生にとってもTEACHにおける体験は、これまでなかなか困難だった広い視野と斬新な発想による研究を可能にすることであろう。

重要なのは、同様のことが当然、ドイツおよび韓国においても起こる点である。ヨーロッパを熟知する日本スペシャリスト、日韓の事情をよく知るドイツ人がTEACHを通してまとまって育つことは、国際関係における日本にとって貴重な人材の養成を意味している。

TEACHは日独韓の若者集団が一定期間、集中的にアイデンティティを育みながら、3つの大学を母校として育つプログラムである。彼らが修了後も、以後半世紀にわたってともに連携してアジアとヨーロッパの架け橋となって活躍してくれることを期待している。


 

3.大枠テーマ  日独韓の「近代化経験」と「地域統合」

 

TEACHの学生は「日独韓」という大枠の中で、自らの専門にあわせ、自らの関心があるテーマを自由に選んで修論を書くことになる。「なぜドイツと韓国なのか?」―― ドイツと韓国を研究対象とするTEACHのプログラムは、日本においてはむしろ意外な組み合わせという印象を呼び起こすかもしれない。実際、これら二つの地域に関する研究は、日本ではこれまで互いに無関係に行われてきた。

これまで人文社会系の比較文化研究や国際学術交流は、二国間・二大学間で行われる例が大半であった。文学や政治や歴史に関する研究の多くは、特定のネーションに即した研究が行われてきており、また日本や韓国においては、欧米志向で学術研究が行われがちであったため、アジアの隣国の研究と結びつくことは稀であった。

その背景に、高く立ちはだかる言葉の壁があったことは言うまでもない。そして両者を敢えて共通の国際事情の観点から論じようとするなら、それぞれの地域で話される母語を無視した、英語で論じられる国際関係論の枠の中で議論してこざるを得ず、そのときにはしばしば、それぞれの地域固有の事情や論理への言及は等閑に付されがちであった。

TEACHは、例えば日本から見るとき、(英語ではなく)それぞれの地域の母語であるドイツ語と韓国語を通してドイツと韓国を同時に研究対象とし、またパートナーとするプログラムである。同様にドイツから見れば日本と韓国を、韓国から見ればドイツと日本を、それぞれの各地域言語と共に組み合わせて研究するプログラムである。TEACHという修士課程のプログラムを立てて日独韓という組み合わせにより共同研究するに値する理由を、以下の2点にまとめておきたい。

 

3.1 日独韓3国が共有する近代化の経験

歴史的な理由から、日本とドイツと韓国は、近代化に対して共通のアプローチを共有している。ドイツは1871年の統一後、「遅れてきた国民」と呼ばれつつも積極的に近代化を進め、ナチスによる破局を経て、戦後再びヨーロッパをリードする経済的・文化的な大国となっている。

日本は特に法律や医学、政治、軍事、社会福祉制度、教育、そして学術についてドイツの体系に倣って近代化を推し進めた。第二次世界大戦における敗戦は日独が共有している経験である。そして韓国は開国以来、とりわけ日本の植民地時代には、ドイツと日本のモデルに多くの部分で適応してきた。こうして、さまざまな近代化の観点に関し、日独韓の3国に共通する、この3国だけに例を見られるようなトランスナショナルなディスクールが生まれている。近代化におけるこうした共通性が、日独韓3国にとって決定的な要素であったと見ることができる。

TEACH学生は、これらの国の発展を比較することによって、何が共通し何が異なっていたのか、そしてなぜ近代化への適応が成功だったのか、もしくは失敗だったのかを分析する。さらには、近代化におけるこれらの特有の経験をもとに、今後の3国の発展性について考察することができる。

 

3.2  地域統合

戦後ヨーロッパは、ECを経て、統一通貨Euroを有するEU(ヨーロッパ連合)に向けて発展を遂げてきた。まだまだ多くの課題を抱えつつもヨーロッパ統合の流れは逆戻りしないだろうし、その中でドイツは統合の要となっている。一方のアジアにおいて、第二次世界大戦後、日本と韓国は(中国とともに)アジア地域における中核的な存在であるが、東アジア地域共同体はヨーロッパのような形に育ってはいない。そこには近代化における異なる経験があり、異なった地域の特性がある。他方で、国際化が進捗する中、ときに激しく反目しあうアジアの国々にとって、地域統合の理念はアジア各国の将来を占う試金石となっている。TEACH学生は、アジアとヨーロッパを比較する中で、アジアの隣国関係を考え、また欧州統合に別の光を当てることを学ぶこととなる。

 

3.3 日独韓をテーマとする意味

近代化のプロセスの多くを共有する日独韓にかかわった先人は多い。例えば、お雇い外国人として来日し、海軍省の委託により日本の国歌「君が代」を「作曲」したドイツ人作曲家フランツ・エッカート(1852−1916)は、その後、大韓帝国にわたってその国歌も作り、今もソウルの墓地に眠っている。日独韓で活躍した作曲家といえば尹伊桑(ユン・イサン、1917-1995)もいる。日本占領下の朝鮮半島で生まれ、日本で音楽教育を受けた尹は、1967年、活躍中だったベルリンから韓国に拉致・送還されて死刑宣告を受けるなど迫害され、ヨーロッパの芸術家たちの救出誓願運動のおかげで西ドイツに追放され、その後も三つの文化圏を橋渡しする活躍を続けて日本の作曲家にも大きな影響を与えた。こうした日独韓の文化的関連を歴史的に解きほぐす作業は、まだまだ今後の課題である。

また例えば韓国との外交関係にとっての躓きの石となっている「竹島/ドクト/リアンクール岩礁」の問題を考えるとき、この問題を現在の日韓の二国間関係の文脈だけから見るのではなく、国際的視野から領土問題をとらえ、アジアにおける国際関係を他の地域と比較し、長い歴史的スパンの中で考察することも重要であろう。その際、第二次世界大戦における同じ敗戦国となったドイツは、戦後処理の問題に関して重要な比較の対象となる。

さらに日本とドイツは、その歴史のみならず国家規模、経済力、先進的な科学技術立国としての特性、共通する課題(とりわけ環境問題、エネルギー問題、少子高齢化など)の点で非常に多くの共通点が指摘されてきている。このドイツとの対話は日本にとって、まさにアジアにおける日本の地位や役割を考える上でアクチュアリティを持っていると考えられる。

むろんその際、単に「日本はドイツから学ぶべきだ」といった単純なメッセージを発しても意味はない。むしろ、同じ敗戦国のドイツがその後ヨーロッパ統合において果たしてきた大きな役割を分析しながら、アジアとヨーロッパの共通性と差異を分析し、新たな問題解決の可能性を考察することが必要となろう。

こうした日独韓のそれぞれの文化的・地域的背景をふまえて自らの関心を追求して研究するTEACHの学生たちは、日独韓三大学の学生・教員と積極的に意見や情報を交換し、実地に言語研鑽を積み、ダイナミックに展開されるプログラムの中で切磋琢磨を続けることにより、必ずや3国の文化・社会情勢に精通したユニークな国際的人材へと育っていってくれるものと期待できる。
4.実施計画

4-1 学生交流に関する筑波大学との協定の存在

本プログラムは、三大学間の交流協定に基づき実施される。筑波大学、ボン大学、高麗大学の三大学は、かねてより個別交流協定を締結している。

  筑波大学+ボン大学:20112月締結(交流分野:両大学に共通するすべての領域) 

  筑波大学+高麗大学:19982月締結(交流分野:両大学に共通するすべての領域)

  高麗大学+ボン大学:200212月締結(交流分野:両大学に共通するすべての領域)

これらに加えてTEACHに関する独自の三大学間個別協定が別途締結され、以下に掲げるTEACH独自の措置やカリキュラムは、この協定に基づき実施される。

 

4-2 TEACH運営委員会(Steering Committee

三大学がTEACHプログラムを円滑に運用できるために、TEACH運営委員会が組織される。三大学はそれぞれ最低2名の教員をTEACH運営委員として任命し、運営委員は必要に応じて連絡調整を行なう。TEACH運営委員会はそれぞれの委員を通じて三大学と密接に情報交換を行い、また三大学間相互の意志疎通を図って、TEACHの円滑な運営に努めるものとする。主として文書(メール等)により、必要に応じてテレビ会議等により恒常的な意志疎通を行い、さらにできれば年2回程度の会合を行うものとする。

TEACH運営委員会の主な役割は以下のとおり。

·           TEACHに関する三大学間での情報交換・連絡調整・定期的会合(テレビ会議を含む)

·           TEACH入学者の選考(ホーム校からの推薦を受けて第一ホスト校への提案)

·           TEACHカリキュラムの監視、三大学間の整合化、さらなる開発

·           TEACHで開講される授業、とりわけジョイント・リサーチ・セミナーの企画・実施

·           授業スタッフの提案、調整

·           TECH学生の指導・助言、指導体制のコーディネート

·           TEACH生の修論執筆・修了に向けての指導体制の確保、

·           学位補足書(Diploma Supplement)の発行

·           各大学やTEACHが組み込まれた研究科等の学術組織の長に対する報告および情報交換

·           三大学コンソーシアム内の財務の監査

·           教育の質の保証メカニズムの確立と実行、自己点検

·           TEACHの広報

 

4-3 学生の身分

TEACHは三大学により共同運用され、学生は少なくとも2学期間をホーム校以外の海外のホスト校で過ごすことになるため、各大学での学生の身分は以下のとおりとする。

TEACH生は、そのホスト校における滞在時期・期間にかかわらず、入学したホーム校、および第二学位取得を希望する大学(第一ホスト校)の双方において、その大学における学位取得に必要な期間(高麗大学と筑波大学の場合は2年間、ボン大学の場合は1年間)、正規学生として「在学」することになる。

それに対し、第二学位取得を予定していない第三の大学(第二ホスト校)に1学期滞在する際、TEACH生の身分は交換留学生(本学に来る学生の場合は「特別聴講学生」)とする。

 

4-4 学生の選抜・入学手続き

TEACHの学生となるには、上記1-2に掲げた三大学何れかの大学におけるTEACH受け入れ組織に入学の上、TEACHプログラムに応募し、以下の手続きによりTEACH生として認定されなくてはならない。その手続きは以下のとおり。

 

(1) TEACH参加学生を、既に修士課程への入学を許可されている者の中から選抜するか、独自に募集を行なうかについては、各大学(ホーム校)毎に定める。筑波大学の場合、人文社会科学研究科において、各専攻における合格者の中からTEACH生候補者選抜を行なう。そこで選抜された候補者はTEACH運営委員会に推薦される。候補者は応募に際して、第二学位取得希望大学を特定しなければならない。

 

(2) 三大学の代表委員により構成されるTEACH運営委員会は、各大学から推薦された学生たちの書類を審査した上、問題がないと判断された候補者に関する資料を、それぞれの第一ホスト校に送付する。

 

(3) 第一ホスト校は、その大学独自の方針に基づき、推薦された学生を受け入れるかどうかを判断する。(書類審査やテレビ会議などを用いた口述試験など、独自の面接試験などにより判定することもあり得る。) ホーム校から推薦された者に関する入学許可決定権はホスト校が持つ。第一ホスト校が受け入れを決定することにより、TEACH生としての身分が最終的に決定される。TEACH運営委員会はその結果を受けて最終確認し、ホーム校に伝える。

 

(4) 第二ホスト校は入学者決定のプロセスには関与しない。第二ホスト校は、選考結果を受け入れて、その学生の1学期間の留学受け入れを認めるものとする。

 

【補足】

こうした手続きを進める以上、第二修士号希望大学(第一ホスト校)の中途変更は不可能である。TEACH入学願書提出時に、第二学位取得希望大学を定め、それにしたがって審査・手続きが進められることとなる。(TEACH生は第一ホスト校の正規学生として数えられる。) TEACH入学後に第二修士号取得希望大学を途中で変更することはできず、どうしてもそれを希望する学生はTEACH入学からやり直さなくてはならない。

なお、本プログラムはあくまで2大学からの学位取得を可能とするものであり、3大学から学位を取得することはできない。

 

4-5 指導教員

TEACHプログラムにおける院生指導に際しては、院生の所属組織(筑波大学の場合は専攻)およびその指導教員との密接な連携が欠かせない。よって、各TEACH生の指導教員の構成は、以下の3名(もしくは2名)による体制を原則とする。

TEACH生は二つの修論の執筆に向けて、ホーム校と第一ホスト校の双方の指導教員による指導を受ける。

 

 

TEACH生が所属するホーム校における修士課程(専攻)の指導教員(当該指導教員がTEACH運営委員と兼任することを妨げない。その場合は②と同一教員となる。)

ホーム校のTEACH関連の指導教員

第一ホスト校の修士課程(専攻)の指導教員

 

この3名の指導教員のうち、最終的に最も大きな責任を持つのは、に示した「ホーム校におけるTEACH指導教員」である。ホーム校におけるTEACH指導教員は、の「所属組織の指導教員」やの「第一ホスト校における指導教員」と不断にコンタクトを取り、情報交換をしながら、三者共同で研究指導を行い、それぞれ第一修士論文、第二修士論文に至るまで責任をもって指導を行なうものとする。ひとりひとりのTEACH生について指導体制がきちんと機能しているか、TEACH運営委員会は定期的にチェックし把握していなければならない。

 

4-6 修士論文

TEACH生は本プログラムにより、ホーム校に第一修士論文を、第一ホスト校に第二修士論文を提出し、二つの修士号を得る(デュアル・ディグリー)。デュアル・ディグリーによる学位記には「学位補足書(Diploma Supplement)」を添付する。このSupplementは、TEACHプログラム内容や、それぞれどの大学でカリキュラムのどの部分を修了したかを説明する追加文書である。それぞれ第一修士論文はホーム校の、第二修士論文は第一ホスト校の学位論文に関する規則に従った形で提出されなければならない。第一修士論文と第二修士論文のテーマはある程度重なっていても構わない。なお、修士論文で扱うテーマは、TEACHの大枠テーマだけに限らない。TEACH生はより広くTEACHの対象である「日独韓」という文化圏と、所属専攻分野との接点となる領域の中から、指導教員たちの指導の下にテーマを選び論文を執筆する。

 

(1)ホーム校における修士論文の提出(第一修士論文)

ホーム校における学位取得のための修士論文は、ホーム校に提出する。そのプロセスは、筑波大学の学生の場合、TEACH以外の修士課程院生の場合と同じである。使用言語は、ホスト校で修士論文執筆に認定されている言語を用いるものとする。

 

(2)第一ホスト校における修士論文の提出(第二修士論文)

デュアル・ディグリーを取得するために、TEACH生は、ホーム校での第一修士論文に加え、第一ホスト校に第二修士論文も提出しなければならない。第二修士論文については、あくまで各ホスト校の規定によるが、学期毎に3回提出されるジョイント・リサーチ論文を(たとえば筑波大学の場合は「特定課題研究」として)一つの研究成果にまとめる形で、第一ホスト校に提出することも可能である。使用言語は、第一ホスト校で修士論文執筆に認定されている言語を用いるものとする。

 

(3)論文審査体制と基準

提出される修士論文は、それぞれの大学の学位論文審査基準に則って評価される。

第一修士論文の論文審査は、ホーム校における論文審査委員会において行われる。筑波大学に提出される第一修士論文に関する指導体制は、TEACH所属の指導教員と所属専攻の指導教員の協議により定められる。論文審査委員会は学生が所属する組織(筑波大学の場合は専攻)に設置され、審査基準は通常の修士課程と同様である。論文審査委員会は、追加の論文審査委員(副査)として、ホスト校の教員に審査を依頼することができる。

第二修士論文(または特定課題研究)の論文審査は、第一ホスト校における論文審査委員会において行われ、ホーム校の指導教員に論文審査委員(副査)を依頼することもできる。第二修士論文については第一ホスト校の審査基準によるものとする。

いずれの場合も、テレビ会議などを用いて口頭試問を行なうこともできる。

 

4-7 修了要件

TEACHの修了要件は以下のとおり。

(1)TEACHコア・カリキュラムで開講されるTEACH共通必修単位90ECTSの取得(したがって3大学それぞれでの授業参加が不可欠である)(詳細は「5-3」)

(2)ホーム校および第一ホスト校が独自に課す個別単位(筑波大学の場合、所属専攻が認定する専門科目9単位、高麗大学の場合、研究指導学点8単位(各学期2単位ずつ)、ボン大学の場合、修士論文に付与される30ECTS)の取得(詳細は「5-4」)

(3)第一修士論文と第二修士論文の審査と最終試験のそれぞれの合格(詳細は「4-6」)

(4)第一外国語に関して語学資格の取得

 詳細は「5. TEACHのカリキュラムと単位」の中で詳述する。

 

4-8 学生に対する支援

(1)授業料等

相互に派遣・受入れを行う協定(覚書)等により、授業料・入学料・検定料等の学生納付金は相互に不徴収とする。

 

(2)旅費・滞在費等

旅費及び生活費(滞在費)等は各自(学生)の負担であるが、各組織はできるかぎり、旅費補助を行なうものとする。なお、学生は協定校の規定に従い、外国での医療保険・傷害保険に加入しなくてはならない(自己負担)。

 


. TEACHのカリキュラムと単位

5-1 TEACH生の三大学間キャンパス移動

(1)「渡り鳥」プラン

 

TEACH生は、全2年(4学期)に及ぶ履修期間のうち原則として入学直後の第一学期は母校で授業を受けるが、その後3学期間は、三大学の学生が一堂に会して同一キャンパスで授業を受けるという原則で学期毎に三大学を移動するものとする。移動の順序は次の表の通りである。

 (年度は第Ⅰ期生のローテーションを表す)

 

高麗大生

筑波大生

ボン大生

2013:春学期

2013.3入学

高麗大(ホーム校)

2013.4入学

筑波大(ホーム校)

 

2013:秋学期

                                        2013.10入学

ボン大学でのTEACH共同課程の履修

2014:春学期

筑波大学でのTEACH共同課程の履修

2014:秋学期

高麗大学でのTEACH共同課程の履修

2014.2修了                2014.3修了

2015:春学期

 

 

ボン大(ホーム校)

2015.9修了

 

なお、高麗大学に入学するTEACH生のスタートは3月、筑波大学では4月であるのに対し、ボン大学の参加者のみ秋学期(10月)からのTEACH参加となる。

それぞれの授業の開始と終了時期はおおよそ以下のとおりである。

 

 

高麗大

筑波大

ボン大

春学期

3月~6

4月~8月初

4月~7

秋学期

9月~12

10月~2月初

10月~1

 

 

(2)授業・研究における使用言語

 

授業の使用言語は、原則として、その授業が開講されている大学のある国で使用されている第一公用語(日本語、韓国語、ドイツ語のいずれか)の使用を原則とするが、授業によっては別の選択肢として英語、また必要に応じてそれ以外の言語(日本語、韓国語、ドイツ語のいずれか)の併用も可能である。

 

授業の使用言語

 

高麗大

筑波大

ボン大

メイン言語

韓国語

日本語

ドイツ語

補助言語

英語

英語

英語

補完言語

ドイツ語、日本語

韓国語、ドイツ語

日本語、韓国語

 

5-2 単位互換

(1) TEACH開講科目の単位互換

 

TEACHの授業は、欧州における新たな学修基本単位である「モジュール」のシステムにより数える。1モジュールの履修は、ヨーロッパ標準の単位互換制度であるECTSEuropean Credit Transfer System)の単位数で数えると10 ECTS単位分である。

TEACH生は各大学で開設するコア科目に関し、TEACH共同必修科目を1大学あたり30 ECTS単位ずつ取得し、3大学合計で90 ECTS単位を取得しなければならない。(それに加えて、学位取得予定の大学毎に個別の追加規定がある。詳細は5-4を参照。)

TEACHにおいては、コアとなるカリキュラムは三大学が共通に企画し、運営するので、その授業に参加・学修する三大学からのTEACH生たちは、同一のモジュールに対して同一の単位を取得することとなる。とはいえ、ボン・筑波・高麗の各大学においてこれまで独自の伝統に則って行われてきた授業単位の算出法は異なっているので、三大学の代表者による協議の結果、TEACHにおいては同一モジュールに対して得られる単位数を、授業時間に基づいて以下のとおり定めることとする。すなわち、学生が取得した単位は、以下の互換式に基づき自動的に互換され、ホーム校および第一ホスト校における成績として認定されるものと定める。

 

1モジュール= 3単位(高麗大学)

     = 3単位(筑波大学)

      =10 ECTS(ボン大学)

 

以上、筑波大学及び高麗大学の各開設科目において、ECTS と同等の総学修時間の構成とするため、TEACH においては「3単位=10ECTS」として単位を認定する。

* 以降のTEACHカリキュラムの記述では、ECTS単位数を基準にして説明する。

 

 

【補足】

なお、ここで欧州(ボン)と日本(筑波)とで異なる単位制度の互換について、上記互換式に至った根拠は以下のとおりである。

ボン大学における10ECTSの総学修時間とは、地域研究科目やジョイント・リサーチ科目の場合、15週の授業(2時間×2コマ×1560時間)に時間外学習を加え、合計300時間である。10ECTS300時間)の内訳は、以下左表のとおり定義されている。

これに対し筑波大学における3単位の総学修時間15週の授業(1.5時間×2コマ×1545時間)に時間外学習を加え、合計135時間である。

3単位(135時間)の内訳は、以下右表のとおり定義されている。

■ボン大学【10ECTS300時間)の内訳】    ■筑波大学【3単位(135時間)の内訳】

1 予習(60時間)

2 授業(60時間)

3 復習(60時間)

4 授業内レポート発表準備(60時間)

5 学期末レポート提出(60時間)

        合計  300時間

 

 

 

 

1 予習(45時間)

2 授業(45時間)

3 復習(45時間)

     合計  135時間

(注)筑波大学においては、学生が授業内レポートや学期末レポートに予習・復習以外に別途時間を費やしても、カウントされない。

両大学の単位の定義は以上のとおりであるが、TEACHにおいては、「ジョイント・リサーチ・セミナー」および「地域研究科目」で、授業内レポートと学期末レポートは必須要件となるので、その分も学修時間としてカウントするものとする。加えてTEACHの学生は、毎学期末に「ジョイント・リサーチ・セミナー論文」として、外国語による長めの小論文提出を求められており、その負担は非常に重いので、「ジョイント・リサーチ・セミナー」および「地域研究科目」については、学期末レポート提出の学修時間として、ボン大学における通常学期末レポートの2倍に相当する120時間分をカウントする。

その結果、筑波大学におけるTEACH開講科目「ジョイント・リサーチ・セミナー」および「地域研究科目」の3単位は

1 予習(45時間)

2 授業(45時間)

3 復習(45時間)

4 授業内レポート発表準備(45時間)

5 学期末レポート提出(120時間)

合計  300時間

の総学修時間で構成するものとする。

 

なお、「専門外国語演習」においては、授業内レポートや学期末レポートの負担を軽減し、代わりに授業時間を上記2科目の倍(1学期あたり90時間)とする。加えてTEACH独自の特殊なカリキュラムのため、各大学における留学や必ずしも語学授業だけにかかわらない語学学習に大きな負担がかかるので、

筑波大学におけるTEACH開講科目「専門外国語演習」の3単位は

1 予習(22.5時間)

2 授業(90時間)

3 復習(22.5時間)

4 外国語を使用する学修や留学、外国人学生とのコミュニ

ケーションにかかる準備や実践(120時間)

5 学期末レポート提出(45時間)

合計  300時間

の総学修時間で構成するものとする。

☆ 専門外国語演習の授業時間を他のモジュールと異なったものとするために、研究科 の部局細則で別途それを定める必要がある。

 

以上、制度がかなり異なる欧州(ボン)と日本(筑波)との間での単位制度の互換について詳細を述べてきたが、筑波大学と高麗大学の間では、制度的な差異はそれほど大きくはないので、ここでは詳しく触れなかった。筑波大学と高麗大学では、原則としていずれも授業時間45時間で3単位を取得できるものとしている。

 


 

(2) 成績の互換

 

3大学で取得されるTEACH共通科目単位の成績は、以下の成績互換表により、ホーム校および第一ホスト校における成績とする。(この互換表は、TEACH科目のみならず、自由選択科目についても有効である。)

 

ECTS Grade

ECTS Definition

ボン大学

高麗大学

筑波大学

A

Excellent

1,0 - 1,5

A+

A+

B

Very Good

1,6 - 2,0

A

A

C

Good

2,1 - 3,0

B

B

D

Satisfactory

3,1 - 3,5

C

C

E

Sufficient

3,6 - 4,0

D

C

F/FX

Fail

4,1 - 5,0

F

D

 

5-3 TEACHコア・カリキュラムにおける共通必修単位

(1) TEACHの共通必修科目(90 ECTS

TEACH生は、TEACHが提供する科目を、3大学それぞれにおいて履修することとなる。

TEACH固有に提供される授業は、以下の3つの分野によって構成される。

 

1 専門外国語演習                 30ECTS、必修選択モジュール)

2 ジョイント・リサーチ・セミナー (30ECTS、必修モジュール)

3.地域研究                       30ECTS、必修モジュール)

 

TEACH必修共通科目については、TEACH生は、何れの大学出身であるかにかかわらず、それぞれの分野毎に30 ECTS単位ずつ、合計で90 ECTS単位を取得しなければならない。

また、各分野毎の30 ECTS については、原則としてそれぞれ筑波・高麗・ボンの3キャンパスそれぞれで10 ECTSずつ履修することとする。

 

 

高麗大で受講

筑波大で受講

ボン大で受講

1 専門外国語演習 

(合計30ECTS

 10 ECTS

 10 ECTS

 10 ECTS

2 ジョイント・リサーチ・セミナー(合計 30ECTS

 10 ECTS

 10 ECTS

 10 ECTS

3.地域研究 

(合計30ECTS

 10 ECTS

 10 ECTS

 10 ECTS

 

以下、3分野の授業について、詳しく述べる。


 

(2) 専門外国語演習 (選択必修科目)

 

すべてのTEACH学生は、日独韓三言語のうち、ホーム校における第一公用語以外の二言語を選択必修科目として学習する。

       ボン大学:ボン大学からの学生が学ぶ外国語は日本語と韓国語である。

       筑波大学:筑波大学からの学生が学ぶ外国語は韓国語とドイツ語である。

       高麗大学:高麗大学からの学生が学ぶ外国語はドイツ語と日本語である。

 

そのうち一言語(第一外国語)は、既にTEACH入学時において、留学しても授業についていける一定程度のレベルに達していることが要求されている。残る一つの言語(第二外国語)については、その能力に応じて学習することとする(初級から始めることも可能)。

専門外国語演習については、一学期ごとに1モジュール(原則として週4コマ)、10ECTSが選択必修であり、合計3モジュール、30ECTSを履修しなくてはならない。

 

※ 外国語科目では、各学期末に口頭または筆記による試験を行い、達成度を確認する。

※ 第一外国語(第二修士号を希望する大学のある国における第一公用語)については、ボン大学や高麗大学で学ぶ際には別途定める試験に合格することが必要であり、またこれはTEACHの修了要件でもある。

  筑波大学及び高麗大学においては、第1学期に自大学で第一外国語及び第二外国語の専門外国語演習を履修するものとする。

 

※ 各大学における専門外国語演習の開講予定は以下の表のとおり(ただし、これらは標準履修モデルであり、指導教員の指導の下、学生の個別状況に応じて履修科目を柔軟に変更することができる。)

 

 

筑波大学で開講予定の外国語コマモジュール (数字はECTS単位数を表す)

 

 

ドイツ語

初級

ドイツ語

上級

韓国語

初級

韓国語

上級

日本語

初級

日本語

上級

1:春学期

5

5

5

5

 

-

1:秋学期

 

 

 

 

 

 

2:春学期

 

 

 

 

10

10

2:秋学期

 

 

 

 

 

 

 

 

高麗大学で開講予定の外国語コマモジュール (数字はECTS単位数を表す)

 

 

ドイツ語

初級

ドイツ語

上級

韓国語

初級

韓国語

上級

日本語

初級

日本語

上級

1:春学期

5

5

 

 

5

5-

1:秋学期

 

 

 

 

 

 

2:春学期

 

 

 

 

 

 

2:秋学期

 

 

10

10

 

 

 

 

ボン大学で開講予定の外国語コマモジュール (数字はECTS単位数を表す)

 

 

ドイツ語

初級

ドイツ語

上級

韓国語

初級

韓国語

上級

日本語

初級

日本語

上級

春学期(未開講)

 

 

 

 

 

 

1:秋学期

10

10

5

5

5

5

1:春学期

 

 

 

 

 

 

2:秋学期

 

 

 

 

 

 

2:春学期

 

 

 

 

 

 

TEACH生の語学履修モデルは以下のとおり。

 

 

 

筑波大学生の2年間での標準語学履修モデル

 

学習場所

ドイツ語を第一外国語の学生

韓国語を第一外国語の学生

1:春学期

自大学

ドイツ語上級

韓国語初級

韓国語上級

ドイツ語初級

1:秋学期

ボン大

ドイツ語上級

ドイツ語初級

2:春学期

筑波大

なし(既に履修済み)

なし(既に履修済み)

2:秋学期

高麗大

韓国語初級

韓国語上級







 

高麗大学生の2年間での標準語学履修モデル

 

 

学習場所

ドイツ語を第一外国語の学生

日本語を第一外国語の学生

1:春学期

自大学

ドイツ語上級

日本語初級

日本語上級

ドイツ語初級

1:秋学期

ボン大

ドイツ語上級

ドイツ語初級

2:春学期

筑波大

日本語初級

日本語上級

2:秋学期

高麗大

なし(既に履修済み)

なし(既に履修済み)







 

ボン学生の2年間での標準語学履修モデル

 

 

学習場所

日本語を第一外国語の学生

韓国語を第一外国語の学生

春学期

未開講

1:秋学期

ボン大

日本語上級

韓国語初級

韓国語上級

日本語初級

1:春学期

筑波大

日本語上級

日本語初級

2:秋学期

高麗大

韓国語初級

韓国語上級

2:春学期

自大学

なし(既に履修済み)

なし(既に履修済み)

 

 


 

(3) ジョイント・リサーチ・セミナー (JRS) (必修科目)   

 

3大学の学生が一堂に会する学期の授業を担当する大学は、ジョイント・リサーチ・セミナー(以下「JRS」という)を1モジュール(2コマ)開講する。これはすべてのTEACH学生にとって必修科目である。JRSはすべての参加大学からのTEACH教員メンバーによって共同で準備され、運営・開講される特別なセミナーである(三大学の教員がテレビ会議等で参画することも予定されている)。また、JRSには、国際機関における短期間インターンシップ、少人数での自主研究等が含まれる。

JRSとして開講が予定されているモジュールは以下の3つである。

1. 地域統合論          10ECTS

2. 比較文化方法論   10ECTS

3. 国際関係論          10ECTS

1モジュールは、同一学期2コマの授業によって構成される。

TEACH生は第1学期~第3学期の各学期に、JRSを必ず受講しなければならない。JRS科目は、すべてのTEACH生が一堂に会して議論する場であり、2年目以降は可能な限り2学年合同クラスで行なう。

JRSを受講したTEACH生は、各学期毎に、このモジュールに対する成績評価の対象になるレポートとして「ジョイント・リサーチ・セミナー論文(以下「JRS論文」という)」を提出しなければならない。各学期毎にJRS論文を提出することが、TEACHにおけるデュアル・ディグリー取得の条件となる。なおJRS論文は原則として、第二修士号取得予定大学における第一公用語(ないし、その大学において修士論文執筆言語として認められている言語)により執筆するものとする。提出大学によっては、3学期分のJRS論文を最終的に一つにまとめることにより第二修士論文(特別課題研究論文)とすることもできる。

 

JRSのカリキュラム例 

 

 

学習場所

JRS1

JRS2

JRS3

1.    春学期

 

 

 

 

2.    秋学期

ボン大

地域統合論

 

 

3.    春学期

筑波大

 

比較文化方法論

 

4.    秋学期

高麗大

 

 

国際関係論

5.    春学期

 

 

 

 

 

 

10ECTS

10ECTS

10ECTS

 

        初年度は、筑波大学・高麗大学においては、第一学期に2大学それぞれでJRS科目(国際関係論)を開設し、テレビ会議等を利用してJRSを実施する。

 


 

(4)地域研究 (必修科目)

 

すべてのTEACHの学生は、日本、韓国、ドイツ、また東アジアとヨーロッパに関する歴史、文化、政治、社会に関する地域研究の授業を履修しなければならない。地域研究科目の1モジュールは2コマ(合計10ECTS)であり、合計30 ECTS取得しなくてはならない。なお、地域研究科目は、三大学の学生が一堂に会する大学において、その学期のみに開講される。

 

·           「韓国/東アジア地域研究」のコース(2コマ)は高麗大学にて開講される(10ECTS

·           「日本/東アジア地域研究」のコース(2コマ)は筑波大学にて開講される(10ECTS

·           「ドイツ/ヨーロッパ地域研究」のコース(2コマ)はボン大学にて開講される(10ECTS

 



 

開講

場所

モジュール

期間

試験テーマ

試験の前提

試験

形式

ECTS

1.      春学期

 

 

 

 

 

 

 

2.      秋学期

ボン大

ドイツ/ヨーロッパ研究(GS

1

欧州の歴史・文化・社会・政治、地域的背景や関係

 

自立した研究

プレゼンテーション

事前に通知した課題の遂行  

筆記または口述

10

3.      春学期

筑波大

日本/東アジア研究

JS

1

東アジアの歴史・文化・社会・政治、地域的背景や関係

自立した研究

プレゼンテーション

事前に通知した課題の遂行  

筆記または口述

10

4.      秋学期

高麗大学

韓国/東アジア研究

KS

1

東アジアの歴史・文化・社会・政治、地域的背景や関係

自立した研究

プレゼンテーション

事前に通知した課題の遂行  

筆記または口述

10

5.      春学期

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(5) 成績の三大学間相互通知と管理システム

 

TEACHの授業科目は筑波・高麗・ボンの三大学で開講されるが、その成績は統一的に管理される。すなわち三大学で出される成績は、上記5-21)において説明されているように、TEACH協定書に定められた互換式により、学生が在学している両大学(ホーム校及び第一ホスト校)に報告されて自動的に承認・登録されるものとする。(したがってTEACH科目の成績の最終決定権は、授業を開講していた大学にあり、報告を受けた大学は原則として異議をとなえることはできない。三大学の教務間の成績通知の仕方(手段、期日など)については、別途定める。問題が生じた際や学生からのクレームなどがある場合にはTEACH運営委員会で諮るものとする。

 

 

5-4 TEACH開講科目以外の修了要件単位と自由選択科目

 

6-3(1)に見たように、TEACH生は、何れの大学出身であるかにかかわらず、TEACHの必修単位を原則としてそれぞれのキャンパスで30ECTS単位ずつ、合計で90ECTS単位を取得しなければならない。

デュアル・ディグリー・プログラムであるTEACHでは、それに加えて、ホーム校および第一ホスト校(第一修士号、第二修士号にかかわらず修士号を出す各大学)が定めるそれぞれの規定に従った追加的な単位取得もなされなければならない。これらを総合すると、筑波大学での学位取得者は36単位、高麗大学での学位取得者は35単位を、ボン大学での学位取得者は120ECTSを、それぞれ取得することが必要となる。

 

(1)筑波大学の学位を取得する者(専門科目9単位)

筑波大学の学位を取得する者は、TEACHで取得する90 ECTS単位(27単位相当)以外に、本人が所属する専攻(ないし本人が希望する学位に対応する分野)に関連する専門科目から9単位(=30ECTS 単位)を修得するものとする。これらの科目は、3大学のどこで履修してもよいが、事前に筑波大学の所属専攻から「専門科目」として認定される承認を得た科目でなければならない。なおこの科目は筑波大学のみの修了要件単位であって、ボン大学や高麗大学にの修了要件単位とはならない(単位互換もなされない)。

 

(2)高麗大学の学位を取得する者(研究指導科目8単位)

高麗大学から学位を取得する者は、どの大学に滞在する学期であっても、高麗大学の指導教員からの指導を受けることにより、「研究指導科目(RGC)」を履修しなければならない。「研究指導科目」は4学期中にわたり2単位ずつ、合計8単位、取得するものとする。この「研究指導科目」は高麗大学のみの修了要件単位であって、ボン大学や筑波大学に単位互換はなされない。

(3)ボン大学の学位を取得する者(修士論文30ECTS)

ボン大学に提出される修士論文に対してはボン大学から30ECTSが与えられる。この30ECTSはボン大学のみの修了要件単位であって、高麗大学や筑波大学に単位互換はなされない。

(4)自由選択科目

TEACHで予め定めた必修単位に加えて、TEACH生はそれぞれの大学で自由選択科目を履修することができる。取得した自由選択科目については、そのままでは取得した大学でしか単位として認められない。自由選択科目の単位を別の大学(ホーム校、ないしホスト校)にも単位として認定してもらうためには、学生はTEACH運営委員会を通して単位互換手続きを申請しなければならない。自由選択科目を単位互換して認定するかの最終判断は、申請を受けた大学に委ねられている。なお、原則として、取得した自由選択科目の単位によりTEACH必修科目の不足分を補うことはできない。

 

 


 

6.TEACHプログラムのメリット

6-1 学生にとってのメリット

      学生のモビリティを強化し、システム化された手続きによって、留学につきものの煩瑣な手続きなしで外国での大学生活を経験できる。

      学生は、各専門や研究方法、語学的、異文化交流経験などに関する付加価値を得られる

      所定のTEACHプログラム及び学位取得を希望する2大学の修了要件を満たすことでデュアル・ディグリーを取得できる。

      学生は、貴重な海外経験や異文化的学修経験、そしてデュアル・ディグリーという高い資格を得られ、修了後の活躍の場が、世界規模の労働市場、およびグローバル化された労働市場等に拡大できる。

 

6-2 大学にとってのメリット

      参加三大学の教員同士の間で緊密な協力関係を構築するための契機となる

      参加三大学それぞれ独自の講義内容および手法によって、個々のカリキュラムを充実させ、また補完することができる。

  日独韓という研究分野の組み合わせから生ずる潜在的な学術的メリットはきわめて大きい。

      提携大学との人的交流を進めることにより、講義を国際化できる

      他国の修士課程に入学資格を獲得した優秀な外国学生を「在学生」として獲得できる

      すぐれたプログラムを構築する先進性と運用能力の実証により、大学のステータスを向上させ、イメージアップをもたらすことができる。

      この意欲的なプログラムを目指して集まる優秀な学生を期待できる(他大学との競合上の利点)

·           三大学のいずれも毎年1学期間TEACHプログラム生を海外から受け入れることになり、一般学生に対する異文化交流を促進する効果がある。

 

 

 

2012.12. 2

Inter Faculty 筑波大学 筑波大学人文社会学研究
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